皆さんには、何か自分の目標を達成するために、「これだけは絶対に守る!」というルールはありますか?
最近、私が注目しているテレビ番組に「ルールが人生を映し出す」という切り口で、様々な業界で活躍する人たちの人生に迫る「セブンルール」という番組があります。
イチロー選手がバッターボックスで毎回同じポーズを取ったり、本田宗一郎が必ず待ち合わせ時刻よりも速く到着することを心がけていたように、常に成果を出し続けている人たちは、何かしら自分なりのブレないルールを必ず持っているのです。
「店長になりたい!」、「優秀な営業マンとして表彰されたい!」、もしくは、「新しい分野で自ら起業したい!」など、様々な目標を持っている人は数多くいますが、それを達成するためには、気が遠くなるような努力を持続し続けなければならず、ほとんどの人たちが多くの誘惑や甘えに惑わされて目標を見失ってしまいます。
そんな時、キリスト教の方々が常に聖書を読んで教えを確認するように、「どんなことがあっても、このルールは絶対に守る」というものを作っておけば、自分自身のブレない軸ができ目標を見失うことはありません。
例えば、私であれば、ちょっとでも気になることがあれば、「必ず現場に行く」ということを自分自身のルールにしています。
もちろん、本社には各店舗、各エリアマネージャーからたくさんの報告や情報が送られてきますが、自分が気になることは、どんなに遠くて、時間が無くても、現場に足を運んで現状を確かめるようにしているのです。
また、中国のテクノロジーの発展が凄いと聞けば、ただ本やテレビを見て「ふーん」と思うだけではなく、直接現地に足を運んで自分の目で確認しますし、会社の若い人たちがどういったことを考えているかということも、直接話かけて理解するというルールを私は自分自身の中で徹底しています。
これは、私の基盤が営業現場の叩き上げであるからこそのルールなのですが、どれだけオンラインのコミュニケーションが発達したとしても、やはり一度現場を訪れたり、人と話したりすると安心して心が落ち着くのです。
実際、一回の大きな失敗や事故で、人間がダメになることはありません。自分のルールに対する小さな、小さな妥協が積み重なることで、人間はダメになっていき、もし、私が「今週は忙しいから店舗訪問はしなくてもいいかな。」と思ったら、そこから田村穂という人間がどんどんダメになっていくことでしょう。
これは有名な話ですが、飛行機は整備の工具が一つ無くなっただけでも、絶対に最後まで探し続けるというルールがあります。それはもし工具が飛行機の中に落ちていたら大事故に繋がる可能性があるからで、ルールを破って、新しい工具を買って戻しておけばいいという問題ではないのです。
私のマイルール「新しいテクノロジーに投資すれば、するほど、現場に行く回数が増えている。」
少し語弊のある言い方かもしれませんが、ビジネスの本質は勝つことではなく、「負けないこと」であり、自分で決めたルールを守り続ける強い意志さえあれば、負けることは決して無いとも言う考え方もできます。
以前、ビジネスの鉄則は、「洗面器から最後まで顔を上げなかったものが勝つ」と言っていた経営者の方がいましたが、ルールという自分が決めた「型」があって始めて、「型破り」なことができるものなのです。
人間は一つの習慣を身につけるためには平均で66日間同じ行動を取る必要があると言われます。「早起きをする」、「運動をする」、「読書をする」など自分の理想のルールを掲げるのは簡単なことですが、「なぜ、それを自分のルールにするのか?」という部分がはっきりしていないと、エナジードリンクを飲んだ後だけモチベーションが上がるのと同じようにきっと長続きをすることはないでしょう。
心理学の世界でも、人の行動の95%は無意識によるもので、無意識のほとんどは習慣でできているのだと言います。そういった意味では、「ルールが人生を映し出す」というテレビ番組のコンセプト通り、どれだけ誘惑に惑わされそうになった時にブレない自分のルールを持っているかが仕事や人生の質を決めていくのは間違いありません。
ハウスコムでは新しいテクノロジーの分野にどんどん投資をしています。今では様々な社内環境が整っていますので、私が店舗に行く機会が少し減ってもいいのかもしれませんが、むしろ、新しいテクノロジーに投資すればするほど、私が店舗の現場に行く頻度が増えているように感じます。
それがなぜなのかは私も分かりません。あえて答えるのであれば、「常に現場に行くことを私自身のルールとしているから」としか言えないでしょう。
皆さんもぜひ、自分自身のルールを作るのに時間がかかっても構いませんので、絶対にブレないルールを考えてみて下さい。強い根を持つ植物が一番長く丈夫に育つように、ブレない自分のルールを持っている人が長期的に必ず成果を上げることができるのです。